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富士山‐信仰の対象と芸術の源泉 - コラム -

富士修験の8つの霊場

透き通る神秘の泉「忍野八海」の伝説2

富士山信仰の巡礼路の中心となっている忍野八海、その池にまつわる伝説について、コラム「富士修験の8つの霊場 透き通る神秘の泉「忍野八海」の伝説」で、ご紹介させていただきましたが、今回は、続きまして残りの3つの池の伝説と奉られた竜王、石碑に刻まれた歌をご紹介いたします。

巡礼路の一番霊場となる「出口池」、面積が最も大きなこの池は、忍野八海の中で1つだけ離れた場所にあります。忍野八海の7つの池が北斗七星を表し、この池は北極星を表していると言われています。また、池の奥には「出口稲荷神社」が祀られています。
この出口池の湧水は「清浄な霊水」と呼ばれており、富士山登頂を目指す行者たちは、この水で身を清め、穢(けが)れを祓いました。そして、この水を持って行くことで無事に登山ができるという言い伝えが昔からあり、このような理由から、別名を精進池とも呼ばれています。「出口池」には、難陀竜王(なんだりゅうおう)が奉られており、湖畔の石碑には「あめつちの ひらける時にうこきなき おやまのみつの 出口たうとき」との和歌が刻まれています。

お釜池 お釜池 「お釜池」写真提供:忍野村観光協会

二番霊場「お釜池」、こちらは八海の中で一番小さい池ですが、豊富な水量があり、梅花藻(バイカモ/水草)が水の中で揺れ動き、池の中にある湧水口の水深の青さを見ることができます。釜の中からお湯がグツグツと沸騰するかのように、水が湧き出すことからこの名が付けられたそうです。
「お釜池」は「大蟇(おおがま)池」とも呼ばれており、この池にまつわる伝説からつけられました。昔、「お釜池」のほとりにあった家に、2人の美しい娘と年老いた父が住んで居ました。父は畑を耕し、娘たちは縫い物や洗濯をしていたある日のこと、妹が洗濯をしていたところへ、突然一匹の大蟇(おおがまがえる)が現われて、妹を水中に引きずり込んでしまったのです。それを知った姉は、泣き叫んで近所の人達の助けを求め、畑に出ていた父を呼んで、必死で妹を探しましたが、いつまで経っても妹は帰らず、いくら探してもその亡骸も浮かんでこなかったそうです。それから、父と姉は池のほとりの家に留まり、妹の冥福を祈り続けたというお話が残っています。「お釜池」には、跋難陀竜王(うぱなんだりゅうおう)が奉られており、石碑には「ふじの根の ふもとの原にわきいづる 水は此の世の おかまなりけり」と和歌が刻まれています。


底抜池 底抜池 「底抜池」写真提供:忍野村観光協会

「はんの木林資料館」の敷地内にある、三番霊場「底抜池(そこなしいけ)」は、うつわや野菜を洗っている時に誤って手を離すと、渦に巻き込まれて行方不明になり、いくら探しても見つからないと言われており、この池に飲み込まれた物は、底の穴を通って「お釜池」に浮かび上がってくると言われているそうです。以来、村人達の間で、この池で物を洗うことを神様が嫌っているのだという噂が広まったと伝えられています。「底抜池」には、釈迦羅竜王(しゃからりゅうおう)が奉られており、池の対岸にある石碑には「くむからに つみはきへなん 御仏の ちかひぞふかし そこぬけの池」との和歌が刻まれています。

音声ガイドでは、忍野八海の他に、白糸の滝や三保の松原の羽衣伝説などをご紹介しています。ぜひ、アプリとブックをダウンロードしてお試し下さい。

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